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【感想】『タッチ・ミー・アゲイン/ヤマシタトモコ先生』―塗り固めた嘘の限界の果てに―

タッチ・ミー・アゲイン

タッチ・ミー・アゲイン

忘れたなんて嘘だ、何もかも覚えてる――

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こんにちは、氷太よ。

今日はヤマシタトモコ先生

「タッチ・ミー・アゲイン」

を頂いていくわね。

この作品、アタシが知ってる中でも最多の短編が含まれるオムニバスよ。

ちょっと簡単に表題作以外のお話にも触れておこうかしら。

息をとめて、

コミュ障ドSと狡さを持ったMのお話。

アタシ的には1番このお話が好き。

この前半から中盤にかけての部分と後半に垣間見えるドSのギャップが面白い。

ただ、2人の関係を決定付ける重要な選択を持ちかけるシーンがあるんだけど

お前にそんな選択持ちかける権利ないからねとツッコミが入るとは思うお話。

キャンディ・レモン・ピール

外見にそぐわない可愛い名前の「檸檬」と檸檬に片思いしているオカマの話。

檸檬、マジでIKEMEN☆

途中までぐうの音も出ない程マジで良かったけど、友人から恋愛に移行する部分が弱い。

ヌオタトーレ・ネル・カンテロ

10Pほどの短編。

ホモである事を打ち明け、告白し返事の連絡待ちに耐え切れず携帯を破壊してしまった人の話。

うん。気持ちは分からんでもない。でも君だれなの?いきなりどうした?

ポエム作品。

スターズスピカスペクトル

24Pの短編。

友人が幽霊となって、部屋に現れるお話。

セリフ回し、設定は良かったんだけど最後の締めは、何を意図しているのかアタシにはさっぱり分からない。

誰か教えて。

うしめし

好きな人と一緒に寝ている8Pの短編。

ごめん、この要素普通に他の作品に取り入れて欲しい。

だから、誰なんだ貴様らはよ。

主張したい感情は理解できるが、お話が短すぎてこちらが感情移入できない。

 

 

めっちゃ入ってる、入ってるよ・・。(意味深

さ、じゃあ表題作のあらすじ見ていきましょっかね!

あらすじ

7年前、お前は俺を抱いた。

でもそれっきり俺たちは、あの夜を忘れた『親友』の振りをし続けている……。

近くにいるからこそ相手の本心がわからない迷路。

でも触って、見て、ぶつけてほしい。

あらゆる欲望が混在するその想いは、言葉にしたら「愛」なんだろう? 

こんな感じね。

まさにこれぞBLと言ったコンセプトが込められているわ。

正当化する事が難しい「愛」を描く事こそが、アタシはBLがBL足りえると思うの。

登場人物

タッチ・ミー・アゲイン

 

押切(表紙左)

フォトグラファーで、人の頼みごとをよく間違える。

7年前に遠野とBがLする出来事があったが、なかった事のように振舞う。

遠野(表紙右)

自由業で、すぐ人を殴るクセがある。

押切を失いたくなくて、友人のように振舞っている。

 

ぶっちゃけ根幹の考えは同じなのよね。

関係を失いたくないから、臆病になって一歩踏み込む事がお互い出来ずにいるの。

感想

ストーリーは王道でありつつも、展開が異質。

塗り固めている嘘を、モノローグの挿入により刻々と真に迫るように描いていくの。

これによって、結末はBLだから予想は付くものの、そこまでに至る過程が全く予想が付かないようになっているわね。

どうしようもなく臆病な部分の2人を上手に描き出しているわ。

基本的に各キャラクターの説明は、このモノローグのセリフに頼って進んでいくから情景描写が極めて少ないんだけど、この少ないシーンで感情の山場を描いてくるからこちらの心を揺さぶってくるわ。

 

特に見所は、押切のシャワーシーン。

あ・・・!やだちょっとどこ見てんのよ!

サービスショットがあるんじゃないかと思ったでしょう・・?

お・ま・せ・さ・ん ね!

いや確かにサービスショットではあるけども、違うわよアタシが言いたいのは。

ただ涙を流すだけじゃないの。

押切の抱えている嘘の限界と、本当はどうありたいかという心理描写をこの1Pに注ぎ込まれているのよ。

さすがヤマシタトモコ先生というほかない。

振られた時、公園で泣いていて職務質問受けたアタシとは大違いの描写だわ。

発展

かなり少ない。物語を重視してるからね。

らしいシーンはあるんだけどね。

まるっと省略されていると言ってもいいわね。

目立った短所

まあちょっと前の作品だから仕方ないけど、表題作はちょっと絵が古いかな・・。

あとはちょっとモノローグがくどいかな?と思ったわ。

同じセリフ回しを使っている部分がある所も気になる。

ちょっとポエムっぽい要素あるから1回では「!?」ってなるかも。

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理解できると本当に深いんだけど・・・。

アタシは1回だけじゃダメだったわな。

まとめ

少ないページ数の短編が評価の足を引っ張ってしまうかもしれないけど、作りこまれた「本当のBL」作品と言えるんじゃないかしら。

切羽詰った感情を描く事ができた稀有な漫画よコレは。

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タッチ・ミー・アゲイン

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タッチ・ミー・アゲイン

[著]ヤマシタトモコ

 

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