ホモがBL漫画を斬るわよ!

独特の視点でBL漫画の感想を述べていく唯一無二のレビューコンテンツ

【感想】『恋まで百輪/雨隠ギド先生』―想いが叶うまでの道程―

恋まで百輪

恋まで百輪 

アンタが俺の心の兄貴だっ!

f:id:hyo-ta:20160818145229p:plain

こんにちは、氷太よ。

もうほんっとお盆とかGWとか世の中からなくなってくれないかしら。

今のアタシは干からびかけてるカピパラよ。

 

 ・・・そんなカワイイもんじゃないわね。

ごめんなさい、見栄を張ったわ。

 

彼氏とか兄貴とかいらねーから「休み」を頂けませんかねえ・・

もう何日連続で出勤してんだっつーの・・・。

体バッキバキ過ぎてピップエレキバンのCM誰よりも気持ち良さそうに伝えられる自信があるわ。

 

今日は雨隠ギド先生

『恋まで百輪』

を頂いていくわね。

 

皆さん雨隠ギド先生をご存知かしら?

この方アニメ放送されている

甘々と稲妻 1巻

甘々と稲妻 1巻

の作家さんなのよね。

f:id:hyo-ta:20160818145826p:plain

 

f:id:hyo-ta:20160818145909p:plain

 

f:id:hyo-ta:20160818225216p:plain

 

そんな先生による初の商業BL作品がこの『恋まで百輪』。

ヤーサンと元ヤーサンのお話になっているわ。

あらすじ

幼い頃から仁侠もの大好き、将来は祖父の跡を継いでヤクザになる予定の小太郎は、ある日街でひったくりを捕まえた虎二の姿に《理想の兄貴像》を見た。

以来小太郎は虎二の働く花屋に通い詰めるようになる。

実は前科持ちで人付き合いを避けていた虎二も、慕ってくる小太郎を可愛く思い始め……?

こんな感じね。

あらすじだけ見ると主にシリアスなのかな~・・と思うかもしれないけど、実際はヤーサン要素不要だったんじゃねえか?ってくらいコミカルになってるわ。

ヤーサンもののBL漫画ってさ、高校生同士の恋愛を舞台にした物語よりもノリが軽くなる謎現象があるわよね。

アタシいつもこういうの見るとこう思うのよ。

「ああ・・手探り状態で苦しみながら描いてるんだな・・」

って。

意識し過ぎてるのか会話がギクシャクしてて読んでて痛々しい時があるのよね。

女性読者の方はこういうの違和感感じないのかしら・・・。

 

この漫画はノリこそ軽いけれども、基本的な設定がしっかりしてるのは間違いない。

跡取り+花屋さんっていう設定だけじゃないのよ。

ここから更に突っ込んだ所まで描かれる事になるわ。

 

登場人物

恋まで百輪

 

小太郎(表紙左)×受け

ヤーサンの跡取り。

本職の家で暮しているが、大の任侠オタク。

Vシネに出てくるような「兄貴」の存在に憧れている。

・・・あれ?お前、組長になる人だよね?

虎二(表紙右)×攻め

元ヤーサンで足を洗って現在は姉の経営する花屋で働いている。

花屋は花の命を貰って商売していると考えており、無駄にする人間を嫌う。

・・・で?アナタはムショでお尻覚えてきたんですか?

 

感想

アタシ評価自体は普通にさせて貰ったけど、ある部分を切り取れば名作レベルになるのよこの漫画。

1つ1つのお話に、それぞれテーマがあって起承転結していくんだけど、凄まじく良いのが転と結の部分ね。

基本的にこの部分、一気にシリアスになるのよね。

必ずしも恋愛に結びつくものではないんだけれども・・・。

ここが最高に良いわ・・・!!

 

まず小太郎の

「もう少し好意を伝えるには何て言えばいいのか」悩む所があるんだけど、アタシここ読んだ時やばかったわね。

この後、一気に急展開するの。

こんな勢いのあるドラマチックな描写、アタシ今まで見た事ないもの。

電子版の人で立て読みしてる人は初め「?」ってなるわ。

え?どうなってんのこれ・・・ってね。

見開きのページなのよここ。

 

まさに急展開。

普通なら急ぎ足過ぎると批評しているとこだと思うけど、なぜか説得力があるのよね。

この強引かもしれないようなやりとりが、2人とってはふさわしいんだと、これで良いんだと思わされるわ。

 

もう1つ凄まじいのが虎二の過去を知った小太郎が、勇気を出して自らの事を打ち明け拒絶されてしまう部分。

ここも見開きなのよね。

電子書籍でこの漫画見てる人、絶対に普通に漫画読むように横向きで読まないとだめよ!?

 

・・・アタシ多分横向きにして読み進めていれば泣いてたわねココ。

こんなにも相手を知ることが、相手の気持ちを汲む事が悲しい気持ちにさせる時もあるんだなってそう考えさせられた1シーンだったわね。

普通なら拒絶された事を悲しむべき部分だけど、そうじゃないのよね。

この暖かくて、悲しい。

そういった気持ちを、最大限に表現している柔らかい描写になってて凄く良かったわ。

 

f:id:hyo-ta:20160818235819p:plain

 

f:id:hyo-ta:20160818235938p:plain

 

ズバッと言わせてもらうと

日常部分が全然面白くない。

これに尽きるわね・・・。

物語の起・承の部分ね。

もうね~・・・。

小太郎の仁義!任侠!兄貴!うおおおおおおお!!

ってノリが痛いのよ。

うすら寒いって事はないんだけど、他に引き出しねーの?って思っちゃう。

同じような会話内容、同じような行動。

そして空回りしてるんじゃねえかってくらいのノリの軽さ。

ちょっとアタシはお腹一杯というかギブアップね。

読んでて結構な苦痛だったもの。

 

例えばさ、「ごくせん」ってドラマあったじゃん?

ヤンクミっていたでしょ?

あれの任侠とか仁義を説くシーンよくあったじゃん?

あれずっとやられてみ?

発狂するだろ・・・?

 

それに近い感じがある。

もうちょっと押さえて、絞って欲しかったかな・・・。

全体的な大事な要素である「兄貴」とか「男同士の強固な繋がり」とか、ベラベラと喋るから全然重要さが伝わってこないのよ。

ここを転・結のシリアスな部分で補強は出来ているし、面白さも補完してるんだけど・・・。

いかんせん、この物語の6~7割くらいは日常を描いているから全体として面白さを評価すると「普通」と言わざるを得ないのよねえ・・・。

この「ノリの軽さ」をカワイイと思えれば多分評価が変わってくるとは思うけど。

f:id:hyo-ta:20160819005051p:plain

 

f:id:hyo-ta:20160819005119p:plain

 

f:id:hyo-ta:20160819010124p:plain

まとめ

青年誌常に読んでる男性や女子力高い(笑)系女子には不向きかと思われる作品。

シリアスなシーンには計り知れない程のポテンシャルがあるので、作家さんの能力に問題があるわけではなく、単に苦手なテーマを選択してしまっただけと言えるわね。

高校生以上の軽いノリに抵抗のない人には読み応えがあって良いと思う。

f:id:hyo-ta:20160819005439p:plain

今回の漫画

 

関連作品