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ホモがBL漫画を斬るわよ!

独特の視点でBL漫画の感想を述べていく唯一無二のレビューコンテンツ

【感想】『WORK in/鈴木ツタ先生』―その視線は好奇か好意か―

WORK in

WORK in

彼も皆のうちの1人になってしまう――

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こんにちは、氷太よ。

今日は鈴木ツタ先生の

『WORK in』

を頂いていくわね!

初め電子書籍で読み始めて表紙のページで

「・・・あれ!?めっちゃ埃が液晶に付着してる!!」

と思ってたら、絵の一部でござったでござる。

よく見てみ?

腕の部分に白い丸い点々が描かれてるでしょ?

 

ツタ先生の作品をレビューするのは2回目ね。

前回レビューした記事がこちら

ホモである主人公の苦悩・葛藤がありありと見事に表現されていた漫画だったわ。

ただちょっと2人のくっつけ方の強引さが度を越えてるのが残念だったわね~。

 

それにしても今回は、年上の部下と年下の上司のカップリングかあ・・・。

アタシのおホモ達にもそういう関係にあるカップル見た事ないわ。

だから現実的に考えると、全然想像付かないなあ・・・。

っていうかもう長年お付き合いっていうのしてないから、普通のカップリングですら想像してもぼやけてる。

 

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ちなみにこの漫画は表題作とは別に、もう1つお話が収録されているわよ。

あらすじ

【独占欲を覚えたら、もうダメですよね?】

年下の上司・高瀬と飲みに行ったホモの飯塚。

二人の距離が縮まる中、飯塚は高瀬に好意を抱き始めていた。

けれど、二人で飲みに行った晩の記憶がないと高瀬に伝えた途端、飯塚は距離を置かれてしまう。

何をしたのか思い悩んでいた飯塚だったが、高瀬に突然……!?

こんな感じね。

実はこのホモの主人公、職場の同僚達にホモであるという事がバレているのよ。

でも上司はまだその事実を知らないの。

ただ「浮いている人」という認識なのよね。

そんな中親睦を深めようと、一緒に飲みに行ったわけよ。

この「記憶がない」って部分が実に物語に良いアクセントを加えているわ。

これによって年下上司の1つ1つの行動に、主人公が疑問を持ち色々考えていく事になるわ。

登場人物

WORK in 

飯塚(表紙下)×受け

ホモである事実が原因で、浮いてしまっている。

人間不信とまではいかないが、簡単に人を信じる事ができない。

オデコがとてもキレイねこの人。

高瀬(表紙上)×攻め

出来の良い、飯塚の上司。

社外から来た人間で、会社の内情をまだよく知らない。

感想

アタシ思うのよ。

鈴木ツタ先生ってホモの葛藤を描く事に本当に長けた天才だなって。

秀良子先生も凄まじいと思うんだけど、路線がまた違うわよね。

秀良子先生は主に迷いの中に見える光を繊細に描いていくわよね。

だからこそまたそこで葛藤が生まれるわけ。

それに対してツタ先生は大人の実情を描いているわ。

世の中の理を理解し、それを受け止めなければならない。

理不尽な事でも飲み込んで、歩き続けなければいけない。

見えてしまっているものを見ないふりをして。

抱えきれないものでも笑顔でやり過ごして。

そんな辛さを描いていくのよ。

 

物語冒頭の、記憶が途切れ途切れの所からもう物語にドンドンと飲み込まれたわ。

アタシもホモだから、その苦悩が分かる。

逆にリアルすぎて、ホモじゃない人にこの感情が伝わっているのか心配になった程よ。

あまりにもその心情の立ち位置が、作家さんがキャラクターに息を吹き込んでいるという領域を超えていて、1人の人間の悲痛な叫びのように聞こえるの。

 

・・・中盤まではね。

いや、この飯塚に関しては最後まで本当に良かったのよね。

たまにちょっと何言ってるのか分からないセリフもあったけど。

「あれ?誰でもいいって誰とでもいいってことだっけ?」

とかね。

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どう考えても同じですよ。

 

たぶんここらへんから描くのが相当辛かったんだろうと推測したわ。

やっぱり問題は上司であるノンケの高瀬さんすねえ・・・。

とはいえ基本的には良いキャラをしてると思う。

寂しさを紛らわせるために飲み屋に行って、隣の客にお持ち帰りされそうになってる飯塚さんの前に颯爽と現れて一言。

 

「させません」

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ただ飯塚が抱えてる事情を打ち明けたから、飯塚を好きになったっていうのはちょっとどうなのかなあ・・・って思うわ。

例えばアナタ達だったらどうなの?

職場の女の子に

「アタシはレーズンなんです!どんなに辛いか分からないでしょう!?」

って言われたとしたら、何て答える?

「・・・アナタが好きです、一緒に百合りましょう是非!」

って返事しないわよね?

まあここかなあ・・・。

やっぱりノンケが堕ちる瞬間を、もうちょっと丁寧に展開してくれれば文句なかったんだけどなあ・・・。

アタシ個人的にはここまでホモの視点に忠実な部分は賞賛に値するから、オススメはするけども。

発展シーンは控えめ・・・かな。

ただ擬音語に頼らずに絵のみで勝負してる点は評価したい。

大人の魅力が漂ってるわ。

 

 

もう1つお話が収録されてるって言ったわよね?

これ実は、飯塚さんをお持ち帰りしようとしたホモのお話なのよね。

こっちは比較的・・・っていうか相手もホモなだけあって、スムーズに繋がりを持っていくわ。

ただキャラクター自身が持ってる信念っていうか、一人よがりの考えがちょっとアタシ的には焦点がぼやけてるように感じて、どうしても感情移入できなかったわ。

どんだけ自虐的なんだよって。

特に後半の

「試したいんだろイケるかどうか」

って部分がちょっとノンケを描く感覚と混同してるんじゃないかと思ってしまった。

違うでしょ、イケるから試してるんでしょ他の部分を。

話をどう進ませたいのか、ちょっと分からなかったわね。

それでも表題作に比べれば、「お互いの葛藤」っていうのが全面に現れているから流れに違和感はないけども。

 まとめ

現実のホモって何考えてるのか知りたい人、コレ読みなさい。

大人のホモが抱えている孤独や行き場のない感情がここには繊細に描かれてるから。

そういった意味では最高峰の漫画だから。

ただノンケとの接点を持つ部分だけ難を抱えているのは了承してね。

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今回の漫画

 

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