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【感想】『あいをあの世に置いてきた/殺生ヨネ先生』―真実の愛の定義―

あいをあの世に置いてきた

あいをあの世に置いてきた

あの声を、あの人を見つけないと――

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こんばんは、氷太よ。

今日は殺生ヨネ先生

『あいをあの世に置いてきた』

を頂いていくわね!

今BLの創作活動されてないのかしら・・・?

ネットで情報を探してもBLはこの作品しかなかったわ。

元々は同人活動を主にされてた方なのね。

でもこの表紙といい、タイトルといい・・・。

何か物凄い内容なんじゃないかと思わせるようなインパクトがあるわね・・!!

ただ絵のタッチが全てショタキャラのような幼さのある絵ではあるので、ここらへんと物語自体が折り合いが付くのか心配だった。

ほら、あるじゃない。

例えば小学生が砂肝とかスルメとかばっか食ってる所見ると、激しい違和感を感じる事ってさ。

 

アタシも居酒屋とか行って「オレ、酒飲めないんです」って言うと

「・・・その顔で?」

って言われたり、女の子と一緒にファミレス行った時にオレがティラミス頼んで女の子がチキングリル頼んだ時に、必ずチキングリルがオレの前に来るのってこういう事なんでしょ?

何なのコレ?

そんなオレってハンターな雰囲気漂ってるの?

そんなにティラミス食べそうになさそう?

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あらすじ

死んだ! 死んでしまった! 主人公・瞬介はある日、交通事故で死んでしまう。一面バラだらけの「あの世」で目の前にいたのは無精髭の【自称・神様】。【神様】は瞬介に「お前が本当の愛を見つけることができたら、生き返らせてやるよ」と告げ、瞬介は戸惑いながらも仮初めの命で「本当の愛」を探し始めるが……?

こんな感じね。

結構凄い内容よね。

まあジャンルとしては一応SFに入るのかしらね?

神様とか出てくるし。

簡単に補足しとくと主人公は交通事故にあってしまい、「あの世」でバラを纏った神様に

「お前本当の愛探してこいや。あ、チャンスは3回だけやでwww」

って命令されて真実の愛を探しに現世に戻るのよね。

ちなみに3回失敗すると、手に宿ったバラの刻印が消え去り「あの世」に強制連行されてしまうって流れよ。

だからそうならないために、真実の愛を探し奮闘するわけ。

そして「バラ」の因果を持った3人の少年とお話が展開していく・・・って感じね。

なので一応ネタバレが酷くなるので、人物紹介は今回は省略するわよ。

 

感想

まず設定はかなり凝ってるわね。

ぶっちゃけそこらのファンタジー路線の青年誌も見習って欲しいレベル。

・失敗する度に主人公の手に宿る「薔薇の刻印」の花が抜け落ちていく

・主人公とお話を繰り広げていく3人の少年が抱える「薔薇に関する因果」

・心理描写の際、舞い散るように描かれる「薔薇の花びら」

 

とにかく「薔薇」を徹底的に軸にしているお話なのよね。

特に注目して欲しいのがこの3人の少年が抱える「薔薇の因果」

これちょっと意味分からないかもしれないけど、薔薇に関係するものがキーアイテムとなるのよ。

何でも良いんだけど例えば「ローズヒップティー」とか「薔薇の絵」とかね。

お花屋さんとかでもいいわね。

そういうそれぞれのキャラが、そのキーアイテムに関してそれぞれ何か思う所があり、わだかまりだったり葛藤を持っているの。

それを主人公が「真実の愛」を見つける延長線上で、ある意味救済に近い結果をもたらして行く・・・って感じなのよ。

ここがそれぞれ形を変えたバラに関係するものと一貫性がある部分も良かったわね。

 

あとはこの物語を見ていく上で前提となっているのがそもそも

「真実の愛」ってなんなのか?

ここが前編を通じて最大のテーマになっているものなのよね。

何を持ってそれは愛と言えるのか?

何を持って真実へと変わるのか?

 

絵とは対極的に、実に哲学的要素の多い物語構成になっている。

少なくとも神様が「探してこい」と命じたのは「1人の愛ではなく相互の愛」っていうのは分かっているのよ。

でもまだ子供よ?学生よ?

「愛」探してこいって言われても困るわよね。

アタシがこのくらいの年齢で、もしこういう状況に置かれたら多分アーティストの「AI」探してくるわね。

神様の前で「Story」歌って貰うわ。

そんで肩を震わせながら

「これが・・・これが本物のAIや!!

って言うわね。

「神様、Believeも歌って貰いまひょか!?

って言うわね。

 

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多分速攻「あの世」に連れて行かれるわね・・・。

 

まあこういう物語だから、発展要素はないんだろうなとは思ってた。

だから全くそういう部分がないってのは構わないんだけど・・・。

物語の都合上、欠陥を抱えている部分もあるわ。

3人ものキャラクター相手「愛」を探していくって中には、少なくともまず自分が恋に落ちていなければならないわけよ。

自分だけの、もしくは相手だけの「愛」では神様の命令を果たした事にはならないのよ。

だから1人のお話が終わった後に、ポンポン次の相手を見つけようとする姿勢は完全に純愛ではなくチャラいだけ。

まあちょっと避けようがない部分ではあったとは思うわ。

1つの物語だけでは重みが生まれないし、かと言って3人との恋愛模様を1冊で描こうとするならば多少強引に持っていくしかないものね・・・。

この部分が短所なのは確かだけど、必要悪と捉えるべき要素かもしれないわね。

 

まとめ

話は濃く、哲学的な視点でBLが描かれていく。

けれど、その代償として純愛とは程遠いチャラさが悪目立ちしている部分もあるのでそこだけ注意が必要かな。

真実の愛とは一体どういうものを指すのか?

最後の結末には腑に落ちない人もいるかもしれないけれど、アタシはこの終わり方こそがこの世の理に則った終わり方だと感じたわ。

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