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【感想】『あさはらたそかれ/はやりやまい先生』―友情か恋愛か、選べ―

あさはらたそかれ 【電子限定おまけマンガ付】

あさはらたそかれ 【電子限定おまけマンガ付】 

こんなに俺は不器用だったっけ――

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こんばんは、氷太よ。

今日ははやりやまい先生

『あさはらたそかれ』

を頂いていくわね。

これ、1度読み終わってから表紙見ると

「ああ、こういう事だったのか」

ってなるわね。

この表紙の2人の表情から読み取れる距離って、ちょっと遠い感じするじゃない?

アタシにはまだ接点を持っていなかった時の2人に見えるのよ。

それでも見て、バッチリ野球部の子見てるもんね。

 

このお話は人気ブロガーと高校球児とのお話になるわ。

昼夜逆転した生活を送っている人間と、規則正しい生活を送っている野球少年。

普通であればこのまま他人のまま終わりそうな関係なんだけど、所謂「運命が動き出す」

っていう感じの物語になってるわ。

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あらすじ

夜型人間で人気ブロガーで、早朝散歩が趣味の澄山。
高校野球児で、健康優良児の堂山。
澄山が堂山と知り合ったのは、ひとの少ない朝の散歩のときだ。
関わるはずのなかったひとと、同じときを過ごしている。
年上なんだし、動揺したくないのに、どきどきしている。
こんなに俺は不器用だった?

高校野球児×社会人の初々しい恋を描く
はやりやまい、待望のデビューコミックス!!

こんな感じね。

論理に基づく行動を起こす「青年」と感情に基づいて行動する「少年」を対比しながらの繋がりを描く所が主になってくるわね。

大人特有の世の中の道理を理解しているけどめんどくさい部分や、子供特有の不器用だけど真っ直ぐな気持ち

がしっかりと描かれていくわ。

あ、残念だけど野球してるシーン3コマくらいしかなかったわよコノヤロウ。

 

登場人物

澄山(表紙左)×受け

映画の批評を書いている人気ブロガー。

夜映画を見てレビューを書き、早朝の散歩後就寝する生活サイクル。

自分とは縁のなかったタイプの純一郎に眩しさを感じている。

純一郎(表紙右)×攻め

甲子園を目指す高校球児。

登校の際、ランニングをしている時に澄山と毎朝すれ違っている。

体育会系らしく、礼儀正しい。

超可愛い、氷太の耳元で「ッス、ッス」って言って欲しい。 

 

感想

アタシ本当に評価したいのが、この純一郎のキャラクターよね。

一概に体育会系って言っても、難しかったと思うわ。

「~ッス、~ッス」って言ってれば良いってもんじゃないもの。

基本的にBLに登場する体育会系キャラって、男目線で見ると

自称体育会系(笑)

って感じなのよね。

でもたぶんこういうの女性には分かり辛いわよね~・・・。

このモヤっとする気持ち、いっつもどう文章に置き換えれば伝わるのか悩むわ。

ヤンキーキャラもそうなのよ。

ぶっちゃけそういうの間近で見た経験もないだろうから、作家さんも頑張って試行錯誤して描いて下さってると思うんだけど、やっぱり実態がないからオカシイ事になる事が多いのよ。

「男同士でそんなノリでそんな会話しねえよ」

ってなるの。

それに比べてこの純一郎は立派に体育会系キャラだったわ。

BL界で屈指だと思う。

常に礼節を持って年上に応対するけども、それだけでなく少年らしく茶目っ気も持った非常に実態を帯びているキャラクターと言わざるを得ないわ。

 

そして澄山の相対的なキャラクターも実に良いわ。

大人の脆さ、めんどくささ。

既に出来上がっている自分という人間性の中に、今まで経験した事もない正に「異物」とも「憧れ」だったとも言えるような人間が入り込んできて、それにどう向き合い落とし所を見つていくのか?

こういった既存の自分を壊して新しい自分に変化していく部分が実に丁寧に描かれている。

つまり「男同士」という要素とそういった自己観念にある「しがらみ」とが平行して

描かれていくってわけよ。

 

あとはやっぱり2人の対比かな。

ここにBL要素が絡み合った瞬間なんか胸が鷲づかみされたような感覚になるもんね。

澄山が所々純一郎に甘えを見せる部分があるんだけど、この高校生とは思えない程の男気を見て欲しい・・!!

かっこいいっていうの遥かに超えて、もはや渋いから。

ナポレオンも踵を返して逃げるレベルよ。

惚れるっていうか男のアタシでもビシャビシャに濡れるレベル。

 

 

ただやっぱり画力に関してはもうちょっと向上して欲しいかな・・・。

物語に沿った各キャラの感情を表現しきれてないものね。

これはこれで充分合格ラインだとは思うのよ。

でもたぶんもっと伝えられるはずよ。

だって扉絵何か、2人何持ってるか分からないもの。

恐らく流れからして「パピコ」なんだと思うけど、流れを汲まずに見ると「茄子」を持っているようにしか見えないわ。

・・・茄子では・・・ないはずよね?

何か滴り落ちてるものね。

こんな都会を舞台として描かれてるんだもの・・・。

男2人で向かい合って茄子は普通持たないわよね・・?

少なくともアタシの今までの人生経験の中では、男同士向き合って茄子を持つっていう場面はなかったわ。

 

あとはそうねー・・・。

どう見ても恋しているようにしか見えなかった澄山が「友情」を求めていた部分の補足だけが弱いかな。

まあ強いて言えば・・ってレベルなんだけどもね。

初見だと

「ここに来てお前そんな事考えてるなんて、めっちゃめんどくせーヤツだな」

ってなると思う。

でも安心して。

純一郎が代弁してそう言ってくれるから。

 

発展シーンもこれがデビュー作とは思えないレベルだったわね。

比較的ライトな描写なんだけど、非常に愛に包まれているのが伝わって来る。

これで絵が上達したら、きっと恐ろしい子になるわね・・・!

この部分にも高校生らしいガッツキ具合が違和感なく表現されているわ。

 

まとめ

デビュー作だからと言って不安になる必要が全くない漫画。

張り巡らされたあらゆる部分の対比が本当にお見事。

少年の純愛、大人の葛藤。

この部分を是非とも堪能して頂きたいわ。

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今回の漫画