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【感想】『永遠のボーイフレンド/吉池マスコ先生』―支え続けるという事―

永遠のボーイフレンド

永遠のボーイフレンド

側に居られればそれでいいの――

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こんばんは、氷太よ。

今日は吉池マスコ先生

『永遠のボーイフレンド』

を頂いていくわね。

泣いたわ・・・・。

復帰後紅白に出た安室奈美恵ばりに泣いたわ。

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これはほんと凄い漫画よ。

羽生山へび子先生の『晴れときどき、わかば荘』 のママのお話が好きな方はどっぷりとハマるわ。

1人のオカマに秘められた人情と慕情というものが、渾身の力を持って語られていくの。

表題作の物語は大きく分けて3つに分けられるわ。

  1. 主人公の子供の話
  2. 主人公の子供によく似た子の話
  3. 主人公の過去の恋愛の話

どれも共通しているのは「支え、見守る」という事。

特にヤバイのが3ね。

2だけはぶっちゃけ普通。

 

そして収録されている短編も秀逸よ。

どんなに拒絶されても、思いを忍ばせる大学生のお話。

この子の健気な純愛も見てて涙が出そうになるくらい、もどかしさを感じさせてくれる。

 

表題作・短編共に非常にコミカルではあるんだけども、その時その時のキャラクターの心情を考えると一気にドラマ性のある物語に変貌するわ。

あらすじ 

繁華街で小さな花屋を営む、顔はゴツいけど、心はオトメなみちる姉さん。

惚れっぽくて、世話好きな彼女(?)を慕って今日もたくさんの人々が店を訪れる。

店のバイトくんの先輩・克彦もその一人で毎日店に顔を出しては、みちるに憎まれ口をたたいて帰っていく。

克彦を見ているとなぜか懐かしい気持ちになる、みちるだったが……!?

みちる姉さんの切ない恋を描いた表題作他、麗人本誌で大好評を博した心優しきオネエのみちるさんシリーズが遂にコミックス化☆

ツンデレ塾講師と大学生のぎこちない恋愛シリーズ作品と描き下ろしを収録した最新コミックス!!

こんな感じね。

このあらすじは正に3番目の物語の冒頭部分になるわね。

なんていうのかしら・・・。

オカマモノってさ、上手く言い表せないんだけど「切ない」って一括りにできない所があるわよね。

なんでなのかしらねえ・・・。

重みがあるのよねえ・・・。

報われないから切ない、叶わないから切ないっていうのとは別の切なさがあるのよ。

報われなくても、叶わなくてもいいのっていう潔さと揺れ動きがあるのよね。

これってね、アタシ思うのよ。

精神面って女性の人の方が強いと思うの。

だから引きずるような恋って男の方が多いと思うのよね。

女々しいって、女性を指す言葉じゃなくって男を指す言葉だと思うのよ。

だからかなあ・・・。

男のそういう部分と、女性ならではの献身の心を持ち合わせてるからこそまた別の意味での切ない物語が生まれるのかもしれないわね・・・。

登場人物

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みちる(表紙左)

オカマの全ての要素をつぎ込んだ典型的なオカマ。

花屋を営んでおり、様々な人が立ち寄るお店になっている。

そんな中克彦と出会い、過去の「ある人」を思い出す。

克彦(表紙右)

親の見舞いの為、毎日毎日花を買いに来る高校生。

毒舌を吐きながらもみちるの事を気に入っている。

みちるの過去と因果関係がある。

ケンちゃん

小説家志望のバーテンダー。

みちるが恋に落ちた「ある人」

彼女に追い出された事がきっかけで、強引にみちると同棲する事になる。

感想

ちょっと残念なのが、キャラの書き分けが全然上手くいってないこと。

どのキャラが発言しているのかパっと見て分からないって部分が、この至高の物語のテンポを悪くしているのよね。

とはいえ絵が汚いわけじゃないのよ。

「面影がある」っていう設定のキャラが、大まかに3つに分かれる物語それぞれに立て続けに出てくるから、そのキャラ達が入れ替わり立ち代わり出てくる最後の物語は特にそのコンセプト上仕方なかったのよね。

そこはアタシも重々承知しているわ。

 

でも大丈夫よ、物語はガチのガチのガチで秀逸だから。

まずオカマがどんなものなのかしっかり把握して描いてるわね。

オカマ同士の会話が、ウィットに富んでいて現実世界のオカマ達に引けを取らないくらいに面白い。

読んでて「あ~・・確かにこういうゲス極まりない会話しているわ」ってなったほどよ。

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*なので氷太はいつも同じ店に通うようにしてます

*飲み屋では高確率で安室奈美恵・浜崎あゆみ・倖田來未・ドリカムのどれかのDVDが流れてます。

 *洋曲のアーティストのDVDの場合、ママはかなりクセのある人の可能性が高いです

 

この物語で語られる上で一番重要になってくるのは

「支える事とは何か?」

って事ね。

ノンケであるケンちゃんと一緒に住んだ所で、自分の恋心が叶うはずがない。

いつかこの生活も終わる時が来る。

だけど想いが叶わなくても、黙々と小説を創作するケンちゃんをせめて一緒にいる間だけでも支えようと決意するの。

そんな中、同棲して行く内に満たされていくと同時にみちるさんは不安になるのよね。

ケンちゃんは自分の事をどう想っているのか?

そんな中、ケンちゃん自身の幸せを考えなければならない呼び水のような出来事が起こるの。

ここのみちるさんは正直凄いなあ・・・と涙ながらに思ったわ。

自分の世界に閉じ込めておく事もできたのに・・・。

ずっと相手に誠実であり続けたんだもの。

例え悲痛な気持ちに襲い掛かられても、ケンちゃんにとって何が幸せなのかを考えそれを実行したんだもの。

自分の幸せを優先しなかったの。

ううん、違うわね。

ケンちゃんの幸せを願う事こそが、みちるさんの幸せだったのよ。

ケンちゃんを最後の最後まで支え続けたのよね。

普段強がりで意地っ張りなみちるさんが、相手に悟られぬよう流す涙と声を押し殺すシーン。

ここ片思いを経験した事あるなら泣くわよ。

そして学ぶべきものがあるとアタシは思ったわ。

例え涙を流す事になっても、それで幸せな事もあるんだって。

相手の幸せを願うっていうのは、並大抵の事ではないんだって。

アタシはイボイノシシのように泣きながらそう思ったわ。

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全然表紙の克彦君に触れないのは何故かって?

ぶっちゃけ表紙の克彦君はね、サブキャラなのよ。

ただ、表紙になるだけの理由があるのよね・・・。

またこの表紙のみちるさんの表情にもちょっと切なさが込み上げて来るわ。

このお話の終わり方は、どっちかと言うとスッキリしない部類に入ると思う。

でもアタシはこの終わり方で良かったと思うわ。

非常にキレイな形で終わりを迎えるから。

そして大好きだけど、この後のお話は描かずにここで留めて置いて欲しいとさえ思える。

まとめ

神がかっている漫画。

ホモの主人公視点によるBL要素の基礎・応用・発展すべてがこの漫画にあると言ってもいいわね。

そして恋愛で困ってる子がいるのであれば、この本を薦めてあげて欲しい。

きっと言葉で語る以上の事を持ってして、その子の背中を押してくれるはずよ。

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