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ホモがBL漫画を斬るわよ!

独特の視点でBL漫画の感想を述べていく唯一無二のレビューコンテンツ

【感想】『いつものふたりで。/鶏尾先生』―付かず、離れず。―

いつものふたりで。

いつものふたりで。

これが最後になるかもしれないのに――

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こんばんは、氷太よ。

今日は鶏尾先生

『いつものふたりで。』

を頂いていくわね。

めちゃ絵がふつくしいわ・・・!!

ただ独特な描写・設定・展開の仕方をするので

内容を把握する事が難しいわね・・・!

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というのも表題作ではなく、収録されている短編がものすごーく

アーティスティック&サイケデリックな内容なの。

全然意味が分からない。

夢と現実、そして夢か悪夢か。

そういった部分を描いていくんだけどサッパリ分からん。

そして結構ショッキングな結末を迎えるわ。

表題作も、まあそういうミステリアスな雰囲気は漂っているわね。

全く状況が分からない状態で話が展開していくしね。

 

この表題作では、仲を引き裂く「終わり」を迎える直前を主に描いていく事になるわ。

あらすじ

「あいつは──……本当俺のこと どう思っているんだろう」

大学4年生の冬休み直前、隆太は焦っていた。

航が実家に帰り卒業式まで戻らないというのだ。

そこで隆太は卒業論文を手伝ってもらうという名目のもと、航に期間限定の同居を持ちかける。

一方、家業を継ぐ決意をしていた航も、これが隆太と過ごすことのできる最後になるかもしれないと提案を受け入れた。

ぎこちないふたりの共同生活が始まり──。

こんな感じね。

「ぎこちないふたり」っていうのは物凄く伝わって来るわ。

この空気、アタシ経験ある。

アタシ、「ドラゴンネスト」と「FF14」っていうネトゲやってたんだけど回復役を担っていたのよね。

そんなアタシの凡ミスによって

パーティが壊滅した時のあの空気に似てる。

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登場人物 

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コウ(表紙上)×受け

稼業を継ぐために、卒業したら家に帰らなければならない大学生。

残り僅かな自由な時間の中で思い出を残すため、リュータの家に居候する事に。

リュータ(表紙下)×攻め 

コウに想いを寄せている同級生。

卒業式までする事もなく、実家に帰ろうとしたコウを卒論を仕上げる事を口実に引き止める。

感想

まず言いたいのはセリフのフキダシが悪すぎる。

これは頂けないわ。

どっちがどのセリフ喋ってるのか直感的に全然分からない。

だから序盤の段階では読み進めないと「どっちの引越しでどっちが手伝いなのか」も分からず、どっちがコウでどっちがリュータなのかすらも分からない。

これは漫画として致命的な要素かと思う。

故に流れの中で

「間が悪すぎたな」

なんて言われても

え?何が?

 って感じ。

だってどっちが喋ってるのかをも推測していかなければ分からないのに、会話のやりとりの奥に見える感情なんてすくい取れる訳ないもの。

冒頭部分から読者に対する配慮に欠けていると言わざるを得ないわ。

何で喋ってるキャラが口閉じてて、喋ってない方が開いてんだよ。

 

ただ物語の構成自体はアタシは良いんじゃないかと思うの。

初め全然どういう関係で、今どういう状況にいるのか描かれないのよ。

描かれるのは2人の少しギクシャクした関係性。

そして徐々にさらけ出していく手法と、この独特な絵が非常にマッチしているわね。

2人はまだ学生なんだけども卒業を控えており、その先の道がお互い交わる事のない言わんばかりの「影」を感じさせて気になってしまうのよね。

 

・・・と思いきや。

所々見える静かな炎のような恋の形は秀逸ながらも、いつか離れ離れになる事に対して受け入れる覚悟も、乗り越えようとする姿勢もなく発展シーンに結びつけるってどうなのかしら・・・。

せめてどうにもならないならば、今を輝かせるっていうのなら分かるんだけどここへの過程が淡々とし過ぎてて

現実から目を背けているようにしか見えないわ・・・。

そして後半になって2人の抱えている事情が判明するんだけど、モブキャラによりアッサリ解決。

なにそれ?

今まで散々引っ張ってきてそれなの?

つーかコウが稼業を継ぐから離れ離れになるって話しじゃなかったの?

リュータも会社を継ぐ・継がないの話があったの?

じゃあ途中の山場の「狡い・狡くない」のやりとりってなんだったの?

というか何故コウの父親らしき人間にリュータは殴られてるの?

つーか何でお坊さんが人殴ってんの?

 

終わりに向かえば向かうほど、キャラクターに科せられた設定の奥行きの浅さが凄く目立つ。

中盤が良かっただけに これでは怒りが湧いてくるわな。

結局何に悩んで、悩みに対して2人は何を努力したのよ?

全体的に漂う雰囲気は秀逸なのに、風呂敷を畳みきれてないっていうか風呂敷広げてく姿勢にはガッカリ・・・。

もしかしてスピンオフなのかしらとまで思った。

もっと設定を絞るべきよ。

そして配慮と丁寧さを持ち合わせる事がこの作家さんの課題なんじゃないかしらね・・・。

あ、後日談は面白かったわ。

こういう山本小鉄子先生路線の漫画を描いた方が向いてるんじゃないかしら。

まとめ

絵は非常にキレイ。

キラリと光る部分もある。

けれどもはっきり言ってオススメはできないわ。

漫画としてレベルアップした次回作に期待・・・ってところね。

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