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ホモがBL漫画を斬るわよ!

独特の視点でBL漫画の感想を述べていく唯一無二のレビューコンテンツ

【感想】『海と二人の塩分濃度/ウノハナ先生』―夜が明ける未来―

海と二人の塩分濃度

海と二人の塩分濃度

それだけでいい、これ以上になれなくてもいいんだ――

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こんばんは、氷太よ。

今日はウノハナ先生

『海と二人の塩分濃度』

を頂いていくわね!

なんやこの美麗な表紙・・・。

センスの塊やんけ!!

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あ、ちなみに片方上半身裸なのは決して裸族とかそんなんじゃないわよ。

サーファーがだからよきっと。

???「・・・良い筋肉だ!」

 

アタシってさあ、ウノハナ先生大好きなのよね。

背景と一体化するような秀逸な世界観

キャラクターの醸し出す色気

熟達した小説のような美しい言葉運び

この3つの要素を兼ね備えているんだもの!

そしてなんたってアタシがNO.1に好きなキャラクター生み出した作家さんだからね。

・・・もうほんとその節はお世話になりましたって感じ。

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今回のこの物語は居酒屋を経営する三十路には見えない三十路と大学生のお話。

そして海が舞台になっているわ。

大人になっていく20代と、大人の矜持を守り続ける30代による「最後と決めた夏」が描かれていく事になるわ。

あらすじ

今度こそ――大学生の隆太は、勝ちめのない恋に終止符を打つため、海沿いで居酒屋を営む尚希のもとを訪れる。久しぶりに会った尚希は、彼女と別れ、猫とひとり暮らしていた――。そんな彼の背中を見ていると、あきらめるはずの想いがあふれだしてきて……!!

無愛想大学生×10歳上の居酒屋店主の静かに激しく心を揺らす愛――。

こんな感じね。

この大学生、毎年夏にアルバイトしに来てるのよ。

この居酒屋の店主に片思いをしているの。

でも、店主には彼女がいる。

だから男である自分に勝ち目なんかないと思っているわけ。

そんな不毛な恋を終わりにするため、最後と決めた夏のアルバイトをするわけね。

ただ今までのアルバイトと違っていたのは、「彼女の姿がない」って事。

店主は店主でトラウマにもなりかねない別れ方をしていたわけね。

そういった諦めるために来たのにもしかしたらと希望を見出してしまった大学生と、傷を負いつつも大人であり続けようとする店主との、今までには絶対になかったであろう物語が綴られていく。

真正面から

二人の過去を引きずった恋愛を描いていく事になるわ。

登場人物

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隆太(表紙左)×攻め

尚希に恋をしている大学生。

物静かではありながら言いたい事ははっきりと言うタイプ。 

尚希(真ん中)×受け

隆太のバイト先の居酒屋の店主。

結婚を申し込んだ恋人が居たが、現在はその姿はない。

ちくわ(表紙右)

尚希が飼ってるネコ。

とても可愛い。

感想(ネタバレ有り

残念なのは、ノンケが持つ男同士の関係への葛藤の描写が弱いってことかしらね。

全体的に弱いわけではないのよ。

特定のポイントが弱いの。

まずは尚希が隆太の告白に対し距離を置いてしまう部分は極自然で良かったんだけど、その後隆太が放つ言葉によって「本気でぐっときちまった」ってセリフに繋がる一連のやりとりが

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とは決してなれないわ。

なんでドノンケが相手の男らしい一面を見る事によって

「ぐっときちまった」のかアタシにはちょっと理解できない。

考えてみて。

貴方が女性だとして、周りに居る子に女性らしい一面を見せられて

「ぐっときちまった。」

ってなる?

その後百合な展開になる?

 

あとは最初の発展シーンかなあ・・・。

尚希、何の躊躇もなくウケるのよねえ・・・。

アタシ、ノンケが相手を好きになってしまったから受け入れようっていう考えは全然許容はできるんだけど・・・。

まだ好きっていう段階ではないのに、何故にドノンケが甘んじてウケを受け入れるのかしら・・・。

この段階で「好き」っていう気持ちがあるんだよって言うのであれば、淡々とし過ぎてて描けてないと思うのよね。

この2つがこの漫画のアタシの不満な部分。

まあどっちも女性目線だと特に気にならないかもしれないけども。

ただアタシは凄く腑に落ちないのよ。

尚希をホモっていう設定にしとけば良かったんじゃないかとすら思えるの。

それであれば自然だしね・・・。

 

とはいえ他の部分に関してはやっぱり秀逸なのよね~。

発展シーンとかやっぱりさすがよね・・・。

めっちゃキレイだもん。

さほど多くはないんだけども、描写が濃いっていうか内面をさらけ出させているというか・・・。

 

そして全体的に醸し出す大人の恋愛の雰囲気がとにかく素晴らしい。

夜の海で瞬く星空が、まるでそのまま二人を表しているようなんだもの。

決して光が差し込んでいるような、太陽が似合うお話ではないの。

暗闇の中でも、何とか光を放ち続けようとするようなどこかしら影を帯びているようなお話なの。

だからなのかしら・・・。

夜の海が凄くこの世界観にマッチしているのよね。

 

そして見所は

尚希のオラネコっぷり。

これ必見よ。

特に

「どうした?終わりか?」

って煽る部分。

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尚希ったら恐ろしい子・・・!!

S心をくすぐるSって珍しいわ・・・!

ここよっ!このなのよ!

この物語が他と何が一線を画しているかというと、基本的に二人ともSなのよ!

S同士の負けじと優位に立とうとするやりとりこそがこの漫画の本懐なのかもしれないわっ!

キャラクターの持ち合わせている性質がアタシの大好きな「犬と欠け月」に被るんだけど、ここが違うのよね~。

あちらはSとMが合致して燃えるような熱量を帯びた愛だったのに対して、この「海と二人の塩分濃度」はSとSがジワジワと温度を増していく静かな炎のような愛なのよね!

 

あとはシャレオツなインテリアが多くって、拘って描いてるな~って唸っちゃったわ。

尚希が縁側で座っているイス、めっちゃカッコイイよ。

そしてこの漫画で使用されるベッド、「あああっ!!」となったわ。

これ、アタシ買おうかな~って思ってたベッドかもしれない。

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・・・でも相手もいねーのに、ダブルサイズ買う勇気はさすがない。

まとめ

起伏のあるような出来事があるわけでもなく、基本的にはキャラクターが暗めなので単調に感じるかもしれない。

でも今回テーマになっているのはあくまで過去の「しがらみ」なので、これはこれで見事に大人の恋愛模様を保ちつつ、テーマに沿って描いたと褒めるべきね。

そしてやっぱり尚希のオラネコっぷりはちょっとした中毒になると思うわ!

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今回の漫画

 

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