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ホモがBL漫画を斬るわよ!

独特の視点でBL漫画の感想を述べていく唯一無二のレビューコンテンツ

【感想】『お父さんは悩ましい/吉池マスコ先生』―ささやかな願い―

お父さんは悩ましい

お父さんは悩ましい

困らせてごめんなさい、好きになってごめんなさい――

見所・内容をザックリ言うと

  •  息子がホモかもしれないと悩むお父さん
  •  部下がホモでどう向き合えば良いか悩むお父さん
  •  そんな悩ましいお父さんを好きになってしまったホモの葛藤

 

こんばんは、氷太よ。

今日は吉池マスコ先生

『お父さんは悩ましい』

を頂いていくわね。

『悩ましげなお父さん』

ってタイトルじゃなくってよかったわ。

全然違う方向に進んで行きそうだもの。

そしてこの表紙を見て欲しい。

背景には桜が咲いていて、片方の人物は幸せに噛み締めるように。

そしてもう片方は恥じらいつつもその幸せを受け入れているような、そんなワンシーン。

マスコ先生って本当にこういうのお上手よね。

なんていうのかしら。

そのキャラクターになりきって、そのキャラクターを動かしているような感じ。

アタシの生きている世界ではこんな風景ってないわね、ウン。

もし「氷太は悩ましい」があったらこんな感じね。

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アタシの生きてる世界ってこんなのばっかだもの。

 

今回のこの漫画はタイトル通り、

悩ましい父親を主に描いていくわ。

ちなみにこの表紙の2人は親子関係じゃないわよ。

上司部下の関係。

それとは別に息子がいるの。

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・・・聞いてねえよって感じよね。

とにかく親子物じゃないって事を伝えたかったの!

あらすじ

ある日、息子の部屋でガチホモ雑誌を発見!!
ワラにもすがる思いで部下の浅井に相談した安浦だが、「別にいいんじゃないすか」と冷たくあしらわれて意気消沈。
だけどある夜、サシ飲みのあと酔った浅井に「安浦さん、ホモ嫌いですか」と押し倒され……。
仕事以外はちょー不器用&鈍感なお父さんが今日も家庭にラブに悩みまくり!?

こんな感じね。

2つのエピソードがあるのよね。

まず息子のホモ疑惑。

確かに親にとってこれは大問題よね・・・。

アタシもホモだけど、仮に息子が居てホモだと知ったら悩むもの・・・。

そしてもう1つは部下からの好意。

こっちの方がメインかな。

男に好意を持たれるっていうお父さんの葛藤と、わずかな可能性に賭けるホモの部下のお話。

登場人物 

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安浦

高校生の男の子を息子に持つ1児のお父さん。

奥様は既に他界しており、男手1つで育てている。

浅井

仕事が抜群にできる安浦の部下。

策略家だがメンタルは強くなく、自己防衛のために冷たい態度を取る時もある。

感想(ネタバレ有り

リーマンBLの集大成というべき内容ね。

上司と部下の関係、転勤。

そしてノンケとホモ。

色々な壁が立ちはだかってくるわ。

 

それにしても、浅井がノンケで上司である安浦の事を好きになるのも分かるわ。

バカ正直で不器用な生き方をしているお父さんなのよねえ・・・。

息子がホモかもしれないという事に悩んで。

部下がホモである事に向き合って。

そしてどういう答えを出すべきなのかまた悩む。

そういう誠意に溢れた人だから、惹かれて欲しくなっちゃうのよね。

浅井は酔った勢いの告白する。

そしてその反応を見て、もしかしたらイケるんじゃないかと希望を見出すわけなんだけども・・・。

自分が答えを出させるような事をすると、そんな人だから困らせてしまうって知っている。

だからそんなに明確にアプローチできないのよね。

でも、アプローチしなければノンケなわけだから進展する事もない。

お父さん側の男同士っていう問題に対する葛藤は、ドロドロする事なくコミカルに描いているけども、浅井側のこの葛藤は対比するようにシリアスに、焦燥感を感じさせるように描いているわ。

ここをすくい上げて描いたのはお見事だわ。

 

そして浅井は転勤の内示を受ける。

これ以降の浅井は、はっきり言って

めっちゃ冷たい。

反抗期迎えた娘よりも冷たいよ。

ここらへんの浅井の

お前それ、ビジネスマンとしてどうなの?

っていう態度に引っかかりを感じる人もいるかもしれないわ。

でもさあ・・・。

例え片思いでもさあ。

離れるって辛いわよね。

そりゃ普段落ち着いてて冷静な浅井でもヤケになって

「3P4P5Pだ!!」

って叫びたくもなるわよ。

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なんだかさあ・・・。

アタシ読んでてボンヤリ思っちゃったわ。

何でホモって恋愛するんだろうね・・・。

繁殖するために本能が恋愛をさせるなら、ホモはそういう恋愛感情欠落しててもいいわけじゃない?

毎日顔を合わせて仕事をして、社会人としても人としても尊敬できる人で、非の打ち所の無い相手に望みの薄い恋をしてしまって・・・。

これってきっと、残酷なくらい辛いと思うのよ。

アタシはノンケに恋をした事ないから、実態としてどれくらい辛いのか分からないけどもさ・・・。

ずっとずっと叶わないと分かっていてもそう願って生きていく事って、果たして幸せなのかしらとも思ってしまったわ。

幸せな時ってあるけども、辛い時だってあるんだもの。

いや普通の恋愛も同じか・・・。

何だってそうよね・・・。

でもこの込み上げてくるもどかしさって何ていう感情なのかしら・・・。

 

そういう気持ちで胸が一杯になる作品だったわね。

ただ1点申し上げたいのが、転勤前に安浦が精一杯の気持ちとして浅井を抱きしめる

めっちゃ素晴らしいシーン

があるんだけども、これに対する浅井の言葉はその後の展開を考えるとふさわしくないのよね。

もっと別に、適切な言葉があったはずよ。

なんかマスコ先生らしくないな~と思ってたらこれ

4年かけて完成した作品なのね。

なるほど・・・。

ちょっとズレがあるのはこのせいなのね・・。

ここだけちょっと残念かな。

 

あと短編が1つ収録されているのよね。

神様と、ガチムチの人の話。

こっちはよく分からんかったわね。

他の作品のキャラクターなのかしら?

それくらい当たり前に背景が描かれない。

だから山場である「一緒に居る時間」のセリフの重さが

全然伝わって来ないわ・・・。

まとめ

ほのぼの・コメディ・シリアス、これらが混在しているマスコ先生独特の世界観は健在!

キャラクター、そしてリーマン設定の活かし方が秀逸!

決してスマートにはいかない大人の恋愛を、是非見守ってあげて。

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