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ホモがBL漫画を斬るわよ!

独特の視点でBL漫画の感想を述べていく唯一無二のレビューコンテンツ

【感想】『今夜、ミスターで/嶋二先生』―言葉よりも大事なもの―

今夜、ミスターで

今夜、ミスターで 

俺は自分からじゃ行けない――

見所・内容をザックリ言うと

  •  幼馴染の大人の恋愛
  •  一途に追い続けるノンケと、素直になれないホモの話
  •  収録されているバーのマスターの話が秀逸

こんばんは、氷太よ。

今日は嶋二先生

『今夜、ミスターで』

を頂いていくわね!

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10分前の氷太

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個人的には凄いビッチなお話が描かれるんではないかと期待していたのだけれども・・・。

「今日はアナタのミスターを頂きマース!」みたいな。

日替わり定食かよ・・・ってくらい男達のミスターをビッチが求めるような物語が描かれるんじゃないかなと。

全然そんな感じじゃなかったぜ!!

今思い返すと、アタシって本当にバカなんだと思うの。

 

でもまあ改めて見て欲しい、この表紙を・・・。

 

ほんに素敵ンゴねえ・・・。

何かの映画のジャケットにありそう。

ただ1回読むと違和感がちょっとあるのよね。

左のリーマン居るでしょ?

この子かなりワンコな性格してるんだけど、ちょっと表紙だと尊大な感じがするわよね。

あとパッと見、右の子が相手の方へ出している足が左足なのか右足なのか分からない。

けれどもこれだけは言える。

右足だったらとんでもなく辛い体勢取ってるなって。

ツイスターかな?

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あらすじ

【客として会いに来てんの? それとも……】

「お前のこと、好きだったんだよなぁ」 

ゲイバー“Mr.”の住み込み店員・チカには、実家に帰れないある理由があった。

それは、1コ下の幼馴染み・恭平に関係があるのだが……?

表題作「今夜、ミスターで」の他、番外編「Welcoming Morning」、“Mr.”のオーナー・雄大と桃のアダルトな恋愛を描いた「さよならミスター」も同時収録。

こんな感じね。

偶然再会した幼馴染のお話ね。

そしてもう1つお話が収録されているわ。

こっちはゲイバーの雇われマスターとそのオーナーの話。

同じ世界観だけども、物語の質が全く違う内容になっているわね。

どっちが優れているのかと聞かれたら、

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と答えるのが満点のレビュアーなんだろう・・・。

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まあぶっちゃけ後者のマスターとオーナーの物語。

もう完全にこっちとしか考えられない。

登場人物

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チカ(表紙右)×受け

この漫画のツンデレ担当。

とある事情により、地元から疎遠になる事に。

偶然再会した幼馴染をゲイバーに連れて行き・・・。

恭平(表紙左)×攻め

この漫画のワンコ担当。

一介のノンケから、チカの働くゲイバーの常連客にまで一気にレベルアップする。

桃×受け

この漫画の純愛担当。

ゲイバー「ミスター」の雇われ店長。

知的なその外観に似合わず、物凄い恋愛をしてきた模様。

雄大×攻め

この漫画のバイオレンス担当。

ゲイバー「ミスター」のオーナー。

ミステリアスで悪どい雰囲気がプンプン漂う人。

感想

まずは表題作の感想から。

ズバっと言わせて頂くと何を伝えたいのか分からない作品。

まず物語冒頭からあらゆる面で違和感が漂う。

いやごめん、冒頭の「ミスターが閉店する」っていうくだり自体は良いんだけども少しすると半年前の再会の出来事とチカと恭平の現在が描かれるんだけど・・・。

半年前の恭平は「ノンケ」なはずなのよね。

でも今の恭平はチカを「口説いている」って設定になっているの。

この半年の間に何があったのか。

「ノンケ」が何を持ってして「男を口説く」ようになったのか。

この狭間って重要じゃない?

ここにこそBLの真髄があるとアタシは思うんだけれども・・・。

 

ここが全く描かれる事がないんだな。

描かれていくのはひたすらこのホモのめんどくさい心情。

体の関係を持っている。

相手も自分を口説いている。

でもあと1歩を踏み出せないっていう

なぞなぞかしら?とアタシには思える心の動きが描かれるの。

 

相手は「ノンケだから」とか「自分からは行けない」とか・・・。

メンヘラのお姫様かよって感じなのよ。

つーか男のお前を好きな時点でノンケじゃねーから。

このホモがツンデレって評されてるのもちょっと疑問。

強気な一面と脆い一面があるってだけじゃないの?

そういう部分を抱えてるとツンデレになるの?

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だから結局アタシの中で落とし所としては、これはBLっていうよりも男同士の関係を整理する物語なんだなって思ったのよ。

だって序盤でもう完結してるんだもん、二人の関係性って。

細かく描かれる事はないけれど、事実上は相思相愛。

ただホモ側が素直になれない「何か」を引きずっている・・・。

ただこれだけの話なのよ。

ちなみにこの「何か」って何なのかは分からない。

まあ臆病なんだな~って感じだったわ。

アタシの性格的にはあまり理解できなかったけれども。

だから結局、物語が浅くキャラクターの掘り下げも薄い色々と「理由付け」に乏しい無難に薄味に仕上がった物語という結論達したわね。

 

唯一、恭平がチカに振り回されて翻弄されている部分は面白かった。

この一直線具合だけが、アタシにとってこの作品の救いだったわ。

んで、「評価は非推奨くらいが妥当かなあ・・・」なんて思ってたら

収録作の方が完全無欠の素晴らしさだった。

こっちの作品は表題作に出てくるゲイバー「ミスター」の店長の話。

そしてこの物語で初めてオーナーが出てくるわけなんだけども、このオーナー。

 

究極的にクズい。

もうね、どうしようもない人にどうしようもない恋心を抱いてしまったという話なのよ。

もうね、切ないとかそんなレベルじゃないわ。

突き刺さるような痛みを持った物語なのよ。

正に相手は暴君のような存在。

フラっと体を求めて来て、暴力を振るい、欲しい言葉は絶対に言ってこない。

そんなガチクズな人間に恋をしてしまったため、どれだけ酷い事をされても時折感じるほんのささやかな幸せが恋を止めるという選択肢を与えてくれないわけ。

唐突に告げられるバー「ミスター」の閉店。

そして別れと共に返される合鍵。

この時のこの桃の

「さよならミスター、全然優しくなかった」

の部分の描写は正に神の領域。

これよ!これなのよ!

アタシは嶋二先生にこういうの求めているの!

 

その後、オーナーの借金まで背負っちゃってさあ・・・。

ああ・・・どこまで堕ちていくんだろう・・・。

ともうハラハラとしまくりだった。

その後のラストは・・・。

まあ・・・うん。

ページ足りなかったのかな?

って感じのまあハッピーエンドで良かったんだけども、もうちょっとドラマチックに終わらせて欲しかったかな。

ちょっとトントン拍子に進み過ぎ感がある。

桃の今までの想いを、これまでの過程を全て肯定するような描写を盛り込んでくれると更に良かったと思うの。

まとめ

う~ん・・・。

絵にビビっと感じるものがあった人か、純愛が好きな方にはオススメするわ。

特に辛い片思いのお話が好きな方。

ただやっぱ表題作のこのインパクトの欠片の無さが凄い減点なのよねえ・・・。

あんまり頭使わなくても良いイチャラブが好きな方向け・・・って感じかな。

ただやっぱりこの収録作は読んで欲しいのでオススメとさせて頂くわね!

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