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ホモがBL漫画を斬るわよ!

独特の視点でBL漫画の感想を述べていく唯一無二のレビューコンテンツ

【感想】『MODS/ナツメカズキ先生』―瘡蓋にもならない傷―

MODS

MODS

抱いてくれればここで楽になれた――

見所・内容をザックリ言うと

  •  とにかくオシャレ・スタイリッシュなキャラクター
  •  トラウマを乗り越え、徐々に幸せに近づいていく物語
  •  アダルティックな心理描写

こんばんは、氷太よ。

今日はナツメカズキ先生の

『MODS』

を頂いていくわね!

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いや~ちょっと新しいブログを作った訳よ。

絶対に会社を訴えると決めた日

これね。

氷太さあ・・・。

ガチで会社訴えようと思ってるのよね。

社畜っぷりが一線越えてるというか何と言うか・・・。

そんなこんななテンションでちょっと批評できないな~・・・って状態が続いていたのよ。

 

でもそんなのもこの『MODS』で吹っ飛んだわ!

この漫画、デビュー作の『I HATE』と比べるとあらゆる要素がレベルアップしているな~と感じさせる所が多々あるわね。

デビュー作の段階で、ナツメカズキ先生にしか描けない!と思わせるようなオリジナリティーに長けた方だったのは間違いないのよ。

絵柄は勿論だけど、大人カッコイイ世界観とかね。

物語を進める起点として、力強さのある描写なんかにも長けていたわね。

ただ、ここは人によっては「強引過ぎる」とも感じ取られるのかもしれないけども。

 

今回はマ~ジで凄いわよ。

1つ1つを定点で映し出したような「繊細さ」も併せ持ってるから!

以下解説していくわね!

 

あらすじ

妹の借金を返済するため、ゲイ向けデリヘル「Rain」の人気男娼・シロの付き人として働くことになった信虎。

信虎の顔と体が好みだと言い、セクハラを繰り出してくるシロに対して一線を引いて仕事する日々だったが、ある夜、客からの暴行で傷ついたシロの姿とふいの言葉が忘れられなくなってしまい…

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って感じの物語よね。

いかにも漫画らしい過激な設定になってるわね・・・。

一応、無粋かもしれないけど言っておくわね。

現実のウリ専って、全然平和だからね。

待機中、マリオカートとかして遊んでるからね。

 

この物語、設定としては朝田ねむい先生の『Loved Circus』やはらだ先生の『やたもも』近いものがあるかもしれないわ。 

 

 

とはいえ、コメディ路線では勿論ないし意外とダークな要素も控え目。

作中ヤクザが出てくるけども、直接的なバイオレンスシーンもほとんどないので比較的万人受けするような内容になっているわ。

 

登場人物

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虎(表紙上)×攻め

妹がマルチ商法に引っかかり、その借金を返すため付き人の仕事に就く。

次第にシロに惹かれていき、今いる境遇から救い出したいと考える。

オカン気質でしっかり者。

BL至上、最も男らしく顔射されるシーンがある。

シロ(表紙下)×受け

親に売り飛ばされ、小さい頃からウリをして生きてきた。 

かつて今いる境遇から抜け出す機会があったが、叶わず「自分にはこの生き方しかできない」と思い込んでいる。

 

ハル

二人の働くウリ専のオーナー。

超かっこいいメガネ。

週8回くらいなら抱いてやってもいい。←???

 

感想

初めっからシャレオツで意味深な描写から物語が始まるわ。

こういう描写、結構使いまわされてる感はあるけどもナツメ先生の画風にはマッチしているのでドンドンやって頂いて構わない。

 

そしてBL漫画を余す事なく堪能する腐女子なら冒頭の各登場人物の紹介の意味合いも兼ね合わせたプロローグの部分でこう思ったかもしれない。

 

「こいつが君の担当する子ね、名前はシロ」

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そうなのよね。

アタシは電子書籍で読んでるから、コミック版の方は分からないんだけどガチで局部は真っ白よ。

下半身だけ見るならば、女の子にしか見えないくらいよ。

『I HATE』が結構「ここまで描いていいんですか・・・?」ってくらいモロに描いていたのでちょっとこの部分は拍子抜けかな。

エロ要素はしっかりとあって、全体的に大人の色気ってヤツが散らばってはいるんだけど後半にならないと「見えそうで見えない」ような、チラリズムを堪能させてくれる。

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しっかしナツメ先生、ほんと情景描写がお上手になったもんだわ。

この物語って片方はホモでもう片方はノンケなわけだけど、そういう漫画ってかなりの確立で「え?何でいきなりホモ化してるの?」となっちゃうんだけど・・・。

何ていうか、徐々に二人の距離が縮まっていく様子とか心の移り変わりだとかドラマチックで繊細に描かれていくから全く違和感がないわ。

途中海に二人で行くのよ。

虎の乗ってるバイクでさ。

ここがさ~、凄く良いのよね。

ここがこの後の物語における重要な部分になってくるのよ。

二人の心開く瞬間というか、二人の物語の本当の始まりって感じでさ・・・。

この時に虎が買ってくれる缶コーヒーがあるんだけど、後でさりげなく出てくるから注意して見ておいて欲しいわ。

 

あとは女性目線だとあんまりしっくり来ないかもしんないけど、各キャラクターのファッションもセンス良く描いているわね。

アタシの好むファッションに近いのは虎>ハル>シロだからシロのファッションはあんまり分からないんだけど、例えば「このハルさんの履いてるのDR.マーチンかな」とか「虎のこのパーカーどっからどう見てもSTUSSYだな」とか・・。

「この格好に迷彩のキャップもありなんだな」とかファッション雑誌感覚でも楽しめる。

いや~ほんとよく研究してるわね・・・。

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物語自体は奇をてらったような話ではなく、どちらかというと在り来たりである事は否めないと思うのよ。

過去を乗り越えられない子とそこから救い出そうとする子の話。

ただそこに込められている重みがある時は激情のように、ある時は今にも消え去りそうな灯火のように、緩急を付けて描かれていくっていうのがこの漫画の大きな評価ポイントかと思うのね。

ただそれ故に残念な点が1つだけあるわ。

シロの過去を乗り越えられない理由よ。

ちょっとネタバレになるんだけど、ずっとウリをやって生きてきたシロを救い出そうとした男が過去に1人居たわけなんだけどもね。

ここの回想シーンは神がかって良かったんだけど、その男に纏わるものが後半薄味過ぎるって所が唯一の難点なのよね。

 

シロの抱えている問題点っていうのは「自分はウリをするしかない」っていう考えなんだけど、これって過去の男に会う前からそういう考えでは居たわけなのよね。

物語を読んでいくと、過去に自分を救おうとしてくれた男に対する希望が打ち破られ他人に期待する事に臆病になってしまっているっていうのは分かるのよ。

だからそれを踏まえての「自分はウリをするしかない」と。

それは重々分かるんだけど、もう最後の方描かれる主張ってただ言葉によってそう語られるだけだからここだけ「ん?」ってなっちゃうのよね。

アタシ的にはね、適度にこの過去の男と虎の一言一句を繰り返し挿みながら虎に打ち明けるって流れの方が良かったんじゃないかなって思うのよね。

中盤のこの回想部分の重みと後半のシロの主張の釣り合いが取れてないんだもの。

どうしても「ウリをする事」と「期待する事」は別の話なんじゃないかなって思ってしまうの。

これを統合してもっと純粋に「生き方」を説いていく流れなら話は違ったのかもしれないわね・・・。

 

ああ、あともう1つだけあったわ。

ナツメ先生、絵はめっちゃキレイなんだけどアクションシーンが若干弱いかな。

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まあここはそんなに重要でもないか・・・。

BL漫画にそんなアクションシーンないもんな・・・。

 

まとめ

氷太的には間違いなく名作!

何回でも読んでしまう魔力を潜めた漫画よ。

やっぱこのアダルティックな魅力は他の漫画では絶対に味わえないわね・・・。

最後の最後で幸せの中にいるシロの泣いている理由は、胸にじんわりと来るものがあるわよ。

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