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ホモがBL漫画を斬るわよ!

独特の視点でBL漫画の感想を述べていく唯一無二のレビューコンテンツ

【感想】『アケミちゃん/丸木戸マキ先生』―片田舎の未来を繋ぐドラマ―

アケミちゃん【おまけ漫画付きRenta!限定版】

アケミちゃん【おまけ漫画付きRenta!限定版】

胸を張って生きたい――

見所・内容をザックリ言うと

  •  今を変えようとする男と今を変えられない男の話
  •  希望の無い状況で二人が導き出した結末の演出が秀逸
  •  愛の為に、失ったものとは?

こんばんは、氷太よ。

今日は丸木戸マキ先生の

『アケミちゃん』

を頂いていくわね! 

初めて拝見する作家さんだったんだけど、コレ、鬼面白い。

笑いの要素は全くと言ってないくらいのヒューマンドラマ。

だけど考えさせられるようなテーマ性を持った漫画と言わざるを得ないわ。

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本当に振り返った時思うのは、時間の移り行く早さって半端ないって事よ・・・。

平成ももう終わりを迎えようとしてるらしいわね。

次の年号は何になるのかしら・・・。

 

この漫画は片田舎を舞台にしているせいなのか、時代背景がそうなのかは分からないけどもとんでもなく昭和の香りがしている漫画よ。

絵がそうさせている訳じゃないのよね。

登場してくるスナックのママ、公衆電話の存在、そして何と言っても主役であるウケの子のあまり余る程のクソださいファッションからそう感じずにいられない。

ジーパンにTシャツINをしている所を見た時は、正直震えが止まらなかったわ・・・!

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細かい所まで拘っててオカマ心を掴んで離さない・・・。

丸木戸マキ・・・とんでもない作家だぁっ!!

 

絵柄自体はスタイリッシュさを感じさせるんだけどもね。

たなと先生の絵でこの物語だったらもう完全に昭和臭がするんだろうな・・・。

以下解説していくわね。

あらすじ 

【人生まだ諦めてないクズ男×男運のない男】

前科持ちとなり、大学を中退した蒼介は、金の無心をしに病院経営をする実家へ戻ってきた。そんな時、寂れた町の一角で、家業のスナック「アケミ」で働く元同級生の静雄に再会する。

女顔をからかい「アケミちゃん」と呼んでいた過去から苦い顔をする静雄だが、実家を追い出された蒼介は静雄の家に転がり込んでしまう。ケンカをしながらも少しずつお互いを認めていくふたりだったが、ある時、男性教師に無理やり関係を持たされた静雄の過去を知ってしまい――。

こんな話ね。

中村明日美子先生ダブルミンツ程人生詰んでいるとは言えないまでも、人生の行く末が見えない状態から始まっているのは事実ね。

大概のBLって凄く重い事情を片方が抱えていて、もう片方が見守るって形がセオリーなんだろうけども、あらすじの通りこの漫画は二人とも大きな問題を抱えているわ。

1度この漫画を読んでみて結末とその後を見届けた後、「もし二人が出会わずに、人生を歩んでいったら」と考えると胸が詰まる。

それくらい二人の再会と反発、そして融和に物凄く意味を感じさせる内容になっているわ。

登場人物

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蒼介(表紙右)×攻め

女性をレイプした事により前科持ちになってしまった。

街に戻ってきた理由は世間体を気にする実家から金を貰うためというクズ男。

静雄と出会い、これから進むべき道を再考する事になる。

静雄(表紙左)×受け

何の夢も持たず、母親のためにこの片田舎で毎日を送っている蒼介の元同級生。

「スナック アケミ」という店名が由来で、アケミと皆に呼ばれていた。

クズさの中に見える蒼介の本意に気付き、影響されていく事になる。

春子

静雄の母親で「スナック アケミ」のママ。

ビッチだがこの漫画の最大の功労者。

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感想

この春子ママがメインの、哀愁漂う意味深で大人なサイドストーリーがちょいちょい挿まれるんだけど、やっぱりBLにおいて「ママ」っていう存在は性別に関係なく素晴らしいのよね・・・。

羽生山へび子先生晴れときどき、わかば荘の、わかばさんがBLにおけるアタシの最上位クラスのママ。

春子ママは登場シーンも少ないから、さすがにわかばさんには一歩二歩劣るけども物凄く良い味を出しているわ。

静雄をママのように、そして優しく母親のように背中を押すシーンなんかもう最高よ・・・?

トロトロになっちゃうわよ・・・?

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女性目線だとちょっと違うのかなあ・・・。

ホモってスナックのママとか超大好物だから補正があるのかなあ・・・。

ここ腐女子の意見聞いてみたい所ね。

アタシ的には神がかっているキャラだなと思うんだけども・・・。

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そして肝心のメイン二人の物語。

これもガチで良い。

個人的には2話の最後が好き。

相手の優しさに溺れる事もできただろうに、決してすがり付くこともなく自分の力で立って歩んでいこうとする健気さを感じ取れるから。

もうこの時点でBLとしても、1つの漫画としても名作であろう事は確信していたわ。

 

最初から最後まで、そういう風に人生に抗おうとする重みが纏わりついていて目が離せなかった。

「所詮はBL、どうせハッピーエンドになるんでしょ?」

と斜に構えた腐女子にこそ読んで欲しい。

ご都合主義的などんでん返しのような事は起こらない。

そういった意味では、この漫画のおける世界観は凄くシビアでドライよ。

その上二人の置かれている状況、持ち合わせている信念、そして影響され合って生まれる新たな道標。

これらを組合わせた時に、ハッピーエンドが想像できないのよね。

何かを得ようとするならば、何かを失わなければならないっていう世の中の仕組みに沿って物語が進んで行くから。

これが凄く最後の最後まで重く圧し掛かってくるのよねえ・・・。

でも最後の結末を見ると、「ああ・・・二人にとってはこれがハッピーエンドなんだな・・・」と納得のいく内容になっているわ。

まとめ

「愛とは何か」を凄く考えさせられる漫画。

愛は願いがあって、勇気があって、決断がなければ成り立たない。

ずっと過去と現状の葛藤と闘って来た二人が、最後の最後に掴んだ愛の結果にアタシはエールを送りたい。

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今回の漫画

 

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