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エースの休日/西田東 【感想】

この本の評価 【オススメ】
ストーリー
(4.0)
読みやすさ
(5.0)
描写・美しさ
(5.0)
発展シーン
(4.0)
総合評価
(4.0)

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「一生の思い出にしますよ、この素敵な密会の事を——」
内容をザックリ言うと
  • プロ野球のエースと客船船長のラブロマンス
  • 自然と演出される2人の大人の香りが堪らない
  • 男という生き物の特長をよく捉えている

氷太

こんばんは、氷太よ。今日もBL漫画をぶった斬っていくわよっ!

 

アタシってずっとサービス業だったから、クリスマスも年末年始も毎年仕事だったのよね。

でも今年のクリスマスは違う。念願叶ってプライベートを優先する事ができる!

そう思ってたのに、アタシ独り身だし特に予定もないのよねぇ・・・。

 

何がイルミネーションよ、何がクリスマスケーキよ!

普段と変わらず、納豆でも食ってなさいよ!!

何が七面鳥よ!先回りして世界中の七面鳥買い占めてやろうかしら!

 

あーあ、ほんと現実って上手くいかないものねぇ。

何だかミルクティーを「クピっ」とお口に運びながら、スパイシーで切なくてアダルティックなBLが読みたい気分・・・。

こんな時は西田先生の漫画の出番よね。

 

エースの休日 レビュー

あらすじ
人気球団のエース・飛高は豪華客船に乗り込んだものの同乗予定の彼女にすっぽかされ一人旅を続けることに。そこでワケありげな子連れの船長と出会うがそりが合わず…。男同士の意地の張り合いから始まる恋模様。

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登場人物

船長(表紙左)×攻め
どんな時もスマートに、そして遊び心を持っている船長。子連れで何やら憂う過去があるようで・・・。
飛高(表紙右)×受け
クッソ生意気なプロ野球界のホープ。負けず嫌いで何かと船長と張り合う事になる。

感想

 

イケイケで横柄な飛高と、船の船長によるBLなんだけど・・・。

2人の恋模様はあらすじにある通り、男同士の意地を感じさせる実にお見事な代物だったわ。

でも何だろう・・・面白いのにモヤモヤすんのよねぇ・・・。

 

やっぱり2人の関係が始まる、その取っ掛かりが頂けないのよね。

完全に犯罪なのよね。もうグウの音も出ないレベルでね。

この部分を一種のエンターテイメントと捉える事が出来るならば、確実に面白く感じるハズ。

逆にアタシのように「・・・は?」と思う人には微妙に思えてくるかもしれないわ。

 

読んでて雰囲気で分かると思うから、ネタバレして書いていくわね。

船長が飛高に、レイプ未遂な事をするのよね。

現実的に考えるとダメなんだけど、この時点では面白かったのよね。

「こっからどうなるのかちら・・・!!」って胸躍らせたのよね。

何なら「レイプ魔さん!こっちです!ボクのお尻空いてます!」って主張したかったくらいよ。

 

でもさぁ・・・物語を読み進めていくたびに違和感しか出て来なくなるのよ。

船長はそんな事をするようなキャラじゃないってね。

大人の余裕を醸し出しているけれど、弱みを見せないホロ苦さを持ってる人なの。

 

動機は確かにあるのよ、それは確かに描かれてるの。

飛高にサインをねだった子供が冷たくあしらわれた事とか、タイプだった事とかね。

でも欲求が生まれる事と、実行する事って全く別の問題じゃない?

「どうしてそんな愚かな行動を起こしたのか」っていう部分が、全然見えて来ないのよ。

 

アタシてっきりゲスな所があるけれど、実はイイ人みたいなポジションだと思ってたの。

「えー!船長そんな人だったんか!意外—!!」とかギャップが出てくると思ってたのよ。

それだったら恐らくアタシは名作扱いにしてたかもしれない。

 

でもイザ恋愛の話になるとゲスさが全くない、タダの魅力溢れるオジサンでしかない。

レイプ未遂する程のゲスさ、一体どこに行った?っていう疑問しかないの。

飛高の影響で徐々に取り除かれていく様子もなく、ろ過されたかのようにパッタリなくなるの。

逆に言うと、このレイプ未遂だけとてつもなくリアリティーに欠けた珍現象になってるのよね。

 

ただアタシ、改めて西田先生って凄いなぁって思ったのよ。

この漫画のBL部分に関する流れって、ザックリ言うとこんな感じになってるのよね。

ノンケである飛高がレイプ未遂される→犯人である船長が飛高に接近する→2人が結びつく。

 

普通、どう考えても無理やん?
普通、ご都合主義的なお話になるやん?

 

だって普通に考えて、ノンケがレイプ未遂の犯人に抱く感情って『気持ち悪い』だろ・・・?

アタシだったら絶対に通報してるわね!めっちゃタイプだったら墓場まで持っていくけど!!

心情的に考えると男同士の壁ってだけじゃなく、そういう問題もある恋愛なのよね。

 

だけどめっちゃ上手、男っていうのをよく分かってはるわこの人は。

『意地』とか『強がり』とか『勝ち負け』とか・・・。

男が気にする要素を非常に上手に取り入れて、自然とBLへと繋げてるんだもの。

 

それと物語のターニングポイントとなる、2人のプールのシーン。

ここのコマ送りのような2人の様子、すんごい良かった。

性的な次元を飛び越えて、凄いアダルティックな要素を抽出したかのような描写なの。

ここだけでも読んで欲しいわ・・・!もう実写でも醸し出すのが難しい程、美しいから。

 

あと何と言っても、セリフ回しが秀逸よね・・・。

キザったらしいセリフは勿論だけど、泥臭くて人間らしいセリフも時折挿まれて。

当人同士が建前と本音をどんな風に使い分けてるのか。

1コマ1コマにある刻まれている葛藤が、この漫画の最大の持ち味なのね。

 

まとめ

うん、リアリティのある男同士の恋愛模様が素晴らしいわね!

それを演出する多彩に盛り込まれている細やかな心理描写が一層物語に引き込ませる。

でもだからこそ、レイプ未遂事件だけはどうにも腑に落ちないわ。

この事件が存在しなければならなかった理由が、やっぱり見当たらないもの。

氷太

美味しゅうございました!
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2 Comments

ユー太郎

こんばんはー。

氷太さんもですか!
私もせっかくの西田東先生作品なのに””船長がガチのレイパー””という設定に違和感がありまくりでした。
読み進めて同じく中盤からやっと西田作品通常運転と思えてきました。
この意見、本作の多くのレビューで見られました。

そういえば、途中まで飛高が言ってた「助けて殺さないで」などは日本の過去の判例では時として被害者側の不利になって(殺さないかわりに肉体関係は許可したというトンデモ理論!)和姦成立なんて判決が出たなど聞いた事があります。
飛高は大きな声も出してキチンと抵抗してますよね。行為続行してたら船長は実刑もんですよ。

そう、米国でもこの展開だと裁判しても確実に敗訴で、AVビデオでも””オーイェスカモン!””を女性側にハッキリと言わせて許諾の意思がとれたとわからなければ、犯罪を助長するから映倫?の許可がおりない、と確か村西とおる監督御大が仰ってました。
洋物AVが大味だなんて言ってられない米国事情が理解出来ました。ありがとうございます監督。
しかし米国には忖度など元々ない言葉なんでしょうね。閑話休題。

今、西田東作品の「やさしい〜」の所のコメント欄を見たら私のキモい百足のような長文があったので、控えなきゃと思っていたのですが(その節はお優しい返信ありがとうございました!)やっぱりどんぶり一杯なコメントに。

と言いつつ「やさしいあなた」がお好きなら「恋と刑事」「フェイス」もオススメしたいです。
いずれも刑事が主人公。この働くオトコ達の選択を氷太さんは気に入ってくださると思うんですが…。

あと最後に1つ。
クリスマスに納豆ならぜひディナーにお召し上がり下さい。就寝中に成長期ホルモンの分泌が良くなるらしいです。
私は3パック¥110のメカブを24、25と食う予定です。最近白髪がひどくて。
では良いクリスマスを

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氷太

ユー太郎さん
コメントありがとうございます!
脅迫に屈して合意してしまったのか、本当に合意してしまったのか。
和姦を争う際にはこの辺りが争点になってくると思われます。
脅迫による合意は無効になりますので、恐らく行為を行った際に脅迫をされたという事が立証出来ず、それまでの2人の関係性も考慮された結果『合意が認められた』のだと思います。
アメリカの法律ではどうなっているかは分かりませんが。

リクエストありがとうございます!
刑事さんが大好物なので、オススメの作品読んでみる事にします。
奇遇ですね、オレもメカブを食いましたw
今も尚ほんのりと残る塩気を感じながら、クリスマスが本当の意味で何事もなく終わった余韻を感じてセンチメンタルになっております。

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